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 自転車のサドルにまたがっているのは、
 聖とおなじ高校の、
 スクールセーターをきた少年。


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ととのった顔だちと、
 すらりと背すじののびた体つきは、
 みばえがよい。
「……お、こっちはストレートに、
 男らしい美少年だ……」
 写真家としての反射行動か、
 カメラマンは
 ポラロイドカメラのシャッターを、
 ぱちりときった。

 だが少年のはなつ、
 ストロボよりも強いまなざしをみると、
 カメラマンはおびえた顔で
 あとずさってしまう。
「なんだろう、この堂々としすぎている
 美少年は……。
 きみの学校の、おともだち?」

「直哉(なおや)……」

 聖が少年の名をつぶやくと、
 自転車のカゴから、
「はむじゃーん、葉村(はむら)もいるよー」と、
 まるい生きものがぴょこんと顔をだした。

 あかるい声で人間のことばを発したのは、
 ネコくらいのサイズがある、
 大きなゴールデンハムスター。
 首にスカーフをまいた特大ハムスターは、
 みじかいまえ脚をのばして、
 カメラマンをびしっと指さした。

「はむはーい、おめでとう、現行犯逮捕ですー。
 むだんで撮影をしている
 異世界写真家がいるっていう情報は、
 すこしまえから『要塞』にも
 とどいていたんだよ。
 葉村たちにずっとマークされいてたの、
 きづかなかった?
 ファインダーのなかだけじゃなくて、
 もっとまわりに
 目をむけるべきだったねえ。
 はむふふ、われながら
 うまい言いかただね、
 葉村ってば文才、天才、バンザイ」

「やたらとでかいハムスターが、
 いろいろしゃべっている……」
 カメラマンがあぜんとつぶやくと、
 ハムスター風生物は、
 ぷっくりとほおをふくらませた。

「はむきー、葉村はハムスターじゃなくて、
 准哺乳類型(じゅんほにゅうるいがた)
 煉魂受皿器(れんごんじゅべいき)
 0301葉村崎(はむらざき)開発タイプ、
 略して葉村っ!
 はむふー、さっきも
 派遣騎士をばかにした発言をされるし、
 葉村は騎士の補佐として、
 とってもなげかわしいよ、
 ねえ直哉?」

 まるっこい肩をすくめて、
 しゃべるハムスターは、
 自転車のこぎ手をみあげる。

「はむみゅー、直哉のその服装は、
 地球の街なみにとけこみやすくて、
 仕事もしやすい利点もあるよ。
 でもたしかに、騎士らしさは
 あまりかんじられないよねえ。
 ヨロイをきるのはむずかしいとしても、
 べつのかっこうを
 かんがえてみたら?
 きぐるみはどうかな。
 もこもこの白と茶色の毛皮で、
 武器をたくさん携帯できるように、
 ほっぺたにふくろもつけて」

「全世界ださすぎるコンテストで、
 おれを優勝させるたいのか。
 そんなのはまるっきり葉村、いや、
 ハムスターじゃねえか」

 スクールセーターの少年がこたえると、
 しゃべるハムスターは
 くやしげにカゴをけりはじめた。

「はむがー、ださいって言った、
 葉村の提案をださいって言った、
 っていうか葉村そのものをけなした。
 直哉なんか、
 1年中ぺらぺらの
 スクールセーターのくせにー!」

「なおしたばかりのカゴをこわすな、
 この激まる球体生物!
 3丁目の自転車屋で
 修理に800円もかかったんだぞ。
 おれの月給が、
 どれだけ犠牲になったとおもっているんだ!」

 どなりあう騎士と騎士の補佐をみつめ、
 カメラマンが
 ふあんそうに聖をふりかえった。

「ねえ、あれが地球派遣騎士なの?」
「……ええ……」
「ヨロイじゃなくて、高校の制服をきて?」
「……まあ……」
「ウマじゃなくて、オンボロの自転車にのって?」
「……ぼくもさいしょは、
 ふしぎにおもったんですけど……」
 聖がそっと目をふせたとき。

 カメラマンが路地のさきへ、
 にげだした。

 しかし聖が声をあげかけたときにはもう、
 かたわらをスクールセーターの影が、
 風のようなスピードでかけだしている。

 あっというまにおいつかれたカメラマンが、
 目をみひらく。

 少年がふりあげた手のなかで、
 武器が西日を
 さんぜんとはねかえした。
 
 それは少年が走る直前に、
 サドルのうしろからひきぬいた、
 ひとふりの――。

「剣じゃなくて、
 やすっぽいビニール傘じゃん!」

 カメラマンがさけび、
 やすそうな傘に足をひっかけられて、
 べしゃりところぶ。

 そうなんですよと、
 聖はそっとうなずいた。

 異世界からの移住者が
 たくさんすんでいて、
 異世界からきた騎士が、
 街の平和をまもるため、
 日々がんばっている。

 ぼくがいまいるのは、こんな街。


(4)につづきます

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椎野美由貴
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女性
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小説家、楽しいものをたくさんつくるひと!
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ようこそいらっしゃいませ!^^ 小説家の椎野美由貴です。「バイトでウィザード」や「螺旋のプリンセス」などを楽しく書かせていただいております☆ 詳しいプロフィールは→こちら にてどうぞ☆
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